クリニック件数は過剰か?

クリニックはいたる所にあり過剰ではないか?
新規開業、既存医院の経営での相談でよく話が出てきます。
先日は歯学部の学生様と話す機会があり、歯医者だらけで将来が不安とも吐露されました。

近年一番目立つのはコンビニ、ドラッグストアの競争は誰しもが目に留まる所と思います。
例えばコンビニエンスストアを例に出しますと、
日本フランチャイズチェーン協会の統計データによりますと、店舗数は2021年11月時点で55,928店、前年同月とでは22店増加となっています。

政府統計ポータルサイトe-Statの統計データの2019年調査によりますと、
一般診療数の医院総数は、
1999年91,500件、2008年99,083件、2019年102,616件
と年々増加しています。
一方で個人の一般診療所件数は
1999年53,973件、2008年48,067件、2019年41,073件
と減少傾向です。
大きく増加しているのは医療法人です。
医療法人は
1999年22,680件、2008年34,858件、2019年43,593件
と増加しています。

次に歯科診療所数も同様に見ていきましょう。
まずは総数からです。
1999年62,484件、2008年67,779件、2019年68,500件
個人での医院数は
1999年54,793件、2008年56,955件、2019年53,133件
医療法人は
1999年7,007件、2008年10,197件、2019年14,762件

医療法人化はそこまで大きなメリットがあるのでしょうか?と質問が来そうですがそこはまた別の機会にお話ししたいと思います。

統計でも分かるように、歯科はよく全国のコンビニより多い競争の激しい業界とよく言われます。
また、医院総数も20年の推移で見ても確かに多いと言えます。

次に人口動態を見てみましょう。
愛知県を例に取ります。
愛知県の人口は2019年版の資料によれば7,483,128人です。
2025年予想は7,455,615人、2040年予想は7,070,766人です。人口減少の加速は間違いないと言えます。

次に75歳以上の人口を見ます。
2015年75歳以上人口は808,449人、2025年予想は1,168,774人、2040年予想は1,207,796人です。
高齢人口は今後どんどん増えていきます。

人口減少なので医療需要も減るかと言われれば実際は逆です。
高齢者の医療需要はこれからも上がり続けます。
高齢者視線での医療経営が大きな鍵になると言えます。

人口の高齢化が日本全体に言える事ですが、実は医療業界にも同じ事が言えます。
先程診療所数は年々増加していると書きましたが、その医師、歯科医師も高齢化が進み若い診療所のドクター
の割合は年々下がっています。

歯科の倒産件数が2018年に23件と大きな話題になりましたが歯科総数から見れば業界全体から言えば優良な部類
と言えます。因みにその年の診療所の倒産件数は14件です。
ネガティブな報道では年間歯科は1600件の廃業と言われますが高齢による廃業等も多く含まれます。
総数と年齢の分布から統計的に分析すれば当然とも言える数字で、数字のマジックに騙されないようにしましょう。

とは言いつつも黒字化、赤字化で診療所も2極化が進んでいるのは間違いのない事です。
しっかりとした経営ビジョン、立地条件も含めた戦略を立て、地域に愛される医院を目指して動けば悲観的に思う事はなく成功へのビジョンを描けるかと思います。

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