正職員やパート職員にかかわらず、人材の採用や人事労務に関しては、クリニックを開業、運営する上で必ず通る道となります。
医療業界は、他業種に比べて、景気や世の中の情勢に影響されにくく、収入が安定している反面、将来性や労働条件などは優れているとはなかなか言えない状況であります。
以前は、開業時に募集広告を出した場合、すぐに人材が集まることが多かったですが、現在は、募集広告を出しても、なかなか集まらない状況です。
特にパート職員に関しては、午後の時給や土曜日診療の時給をアップさせて、やっと採用が決まったという声を聞いたこともあります。
いざ、職員を採用し、長く勤めてもらおうと考えていても、職場環境や他の勤務条件に魅力を感じ、退職してしまうことも少なくありません。
そうならないために、「辞めたらすぐに新しい人を採用する」という考えではなく、「辞めたくない職場を作る」という考えを院長先生自ら持つ必要があるでしょう。
クリニックを支える職員の9割以上は、女性職員となります。
特にパート職員に関しては、主婦の方が多くいらっしゃいます。授業参観や運動会、三者面談等の学校行事や家庭行事と仕事の両立への配慮や、出産などで一度退職した職員が復帰できる体制づくりを積極的に構築していきましょう。
そのためにも日々、クリニックを支えてくれる職員とのコミュニケーションを欠かさず、職員との間に信頼関係を築き上げていきましょう。
参考文献
[1]原田宗記 “リアル”なクリニック経営 300の鉄則 医学通信社 2020年1月 6,7,8ページ