今回は融資には金利は当然つきものです。
多くの質問がある中で、金利に関してのお話を一つしようと思います。
さて、こんな質問がありました。
日本は借金大国だし、今後の金利は上がるのではないか?
財務省が作成している貸借対照表で見てみましょう。
令和2年3月 財務省主計局が発行した 「国の財務書類」のポイント(一般会計・特別会計及び「連結」) を参考にさせていきます。
平成30年の政府の負債合計は1,238.9兆円になります。
ですが、ここに日銀は含まれていません。
政府にとっては国債発行は負債になりますが、日銀にとっては保有する国債は資産になります。
政府の連結決算を確認しますと一致していない事がわかります。
連結対象法人の範囲について政府は、
「日本銀行については、国の監督権限が限定されていること、政府出資が僅少であり、補助金等も一切支出していないことから、連結対象ではありません。」
との記載があります。
しかし、100兆以上の資産を抱える子会社である日本銀行を連結決算に含めないのは本来の意図はどうであれ到底納得できるものではないのは明白です。
そこで日銀が保有する政府短期証券と公債を含め改めて算出してみました。
すると政府の借金は約482.1兆円となりました。
この時点で定期的に報道で目にし、耳にする内容とは大きく異なってきます。
次に政府には徴税権があります。
政府の貸借対照表の資産に含めて考えてみます。
徴税権の価値は年間50兆円の15年間で考える事ができます。
資産と負債の差額が純資産となりますが、日本政府の純資産を日銀の連結、そして徴税権を加味した上で算出しますと707.4兆円となり、日本政府の財政は健全であり心配等ないと言う事がわかります。
メディアでよく日本は借金大国と言われますが、バランスシートの右側の、しかも日銀を加味していないバランスシートを右から左に報道してる内容なのです。本来は日本は借金大国どころか裕福な国家と言えます。
他国の状況と比較しても日本は安定性があります。
日本の対外純資産は約364兆円と約30年世界一です。国家破綻した国は対外純債務がGDPを越えていました。
日本国民家計の金融資産が約1,900兆円あり、国債が全て円で発行されている事も安定性を物語っています。
日本国は主な借入先がどこからかと言いますと国債です。日本国債の約96%が国内の証券会社、銀行、保険会社が保有されています。つまりは我々が預けたお金、保険料が金融機関が国債を買う資金になっています。
日本は失われた30年と言われますが本当にバブル崩壊以降世界ワースト争いをする程物価が上昇していません。
財務省がプライマリーバランス黒字化に固執せず国債を発行し経済を回してさえくれたら景気にも繋がるのではと思います。
景気も向上し、国民所得も増えた中での金利上昇ならば歓迎すべき上昇であるとも言えます。
こちらの解説には日本政府の貸借対照表を最初に作成した元財務省官僚の高橋洋一氏もご指摘されています。
ただし、政府の見えない資産と言われる徴税権を加味すべきについては意見が分かれる所でもあります。
金利の影響は景気、物価、為替、海外金利、金融政策、株価等が主に上げられます。
金利に関しての他の内容はまた別の記事で上げていきます。