クリニックにおける業務委託について

はじめに

皆さん、こんにちは!

今回は、クリニックが行う業務委託についてお話します。
クリニックが行う業務は、単に治療することだけでなく、
医療器具の滅菌、患者給食の提供、寝具類の洗濯、医療事務、院内清掃など多岐にわたります。
これらの業務を委託なしで行うことはほぼ不可能であり、
仮に行おうとすれば非常に大きな負担となります。

クリニックを開業する前に、委託業務の存在について確認しておきましょう。

なぜ委託するのか?

委託する理由については、上記でも述べた通り、
すべての業務をクリニックが背負うには荷が重すぎるからです。
無床診療所であれば患者給食の提供などの業務はありませんが、
それでも従業員が少ないとレセプト時期に事務がパンクしてしまったり、
治療の提供に力を入れすぎて経営が回らなくなるなど問題が生じます。

従業員を多く雇う余裕があったとしても、
これらの業務を行うために必要なものをすべてそろえようとすれば、
支出が大変多くなってしまいます。
また、新卒採用を導入すれば入社後の教育も必要になりますし、
多くが委託により負担が少なくなるケースに当てはまります。

もちろん、経営等の重要な業務についてはクリニックが行う方が良いのかもしれませんが、
管理しきれないようであれば経営コンサルティングという形で委託することも一つの手です。

委託する業務の種類

委託する業務については、一般の業務と医療特有の業務があります。

一般の業務としては、建物・設備の点検や保守、警備などが挙げられます。
いわゆるセキュリティという分野の業務です。
これらに関しては、技術上の関係で委託せざるを得ない業務となることがあり、
医院の安全を考えると委託することが好ましいでしょう。

一方、医療特有の業務としては、検体検査や医療器具の滅菌、医療廃棄物の処理、
患者給食の提供、寝具類の洗濯、医療事務などが挙げられます。
このほかにも、医療廃棄物の処理や在宅医療サポートなど、幅広い業務が委託されています。
このうち、検体検査、寝具類の洗濯、医療廃棄物の処理については2021年度委託率が9割を超えており、
委託することでのメリットが大きいといえるのではないでしょうか。
また、医療器具の滅菌や医療事務、経営コンサルティングについては2021年度委託率が50%を切っており、
医療機関において業務を行う負担が軽い、もしくはそのメリットが少なからずあることが考えられます。

では、仮に委託するとなると、どれだけの費用が発生するのでしょうか。

委託費について

医業収益に占める委託費比率は、病床数や開設主体によって異なりますが、
おおむね6%ほどになっています。
単純に医業収益を5,000万円/年とすると、300万円/年の委託費が発生するということです。
この金額を多いとみるか少ないとみるかですが、全く委託せずに人を数人雇うとして、
どれだけの人件費が発生するかを考えると判断しやすいと思います。

まとめ

今回はクリニックにおける業務委託についてご説明しました。
業務委託が全く行われていない医療機関はごく少数であり、ほとんどの医療機関で導入されています。
このため、開業を考える際には業務の委託先についても検討を進める必要があるため、
前もって情報収集をしておくとスムーズに動いていけるのではないでしょうか。

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