本日は、厚生局の個別指導について記述いたします。
厚生局の個別指導とは?
保険診療についての請求が適切かどうかを確認し、保険診療のルールを周知徹底するために医療機関や保険医への指導が行われます。
・個別指導の対象となる4つのケース
①新規個別指導
新規開業の医療機関に対して開業後約1年で実施される個別指導。
②集団的個別指導⇒個別指導
診療報酬明細書の1件あたりの平均点数が高い医療機関について「集団的個別指導」が行われます。その医療機関が翌年度も高点数だった場合「個別指導」が行われます。
③患者さんや保険者からの情報提供により行われる個別指導
患者さんや保険者が不正請求の疑いがあると、厚生局に情報提供したことで「個別指導」が行われます。例えば、保険者から送られてくる医療費の通知と自身の窓口負担金が合わないことを厚生局へ情報提供した場合に、個別指導が行われるケースがあります。
④個別指導後の再指導
個別指導の結果、厚生局が引き続き指導を行って、指導結果に基づく改善がなされたかを確認する必要があると判断した場合、約1年後に再度個別指導が行われます。
・個別指導の結果は4種類(約1ヶ月後に文書で通達されます)
(1)「概ね妥当」
特に問題点がなかった場合は、「概ね妥当」として指導は終了します。
(2)「経過観察」
指導で指摘された問題点が軽微な場合は、「経過観察」として指導は終わります。
(3)「再指導」
指導で問題点が指摘され、その後改善されたかどうかを厚生局が確認する必要があると判断した場合は、「再指導」となります。約1年後に再度個別指導が行われます。
(4)「要監査」
個別指導によって不正請求が明らかになった場合には監査が行われます。監査が行われた場合、その結果に応じて「注意」、「戒告」、「取消」などの処分が下されます。中でも「取消」は、保険医療機関または保険医としての指定を取り消すものであり、最大5年間は保険診療ができなくなります。さらに指導の結果をもとに「改善報告書の提出」や「診療報酬の自主返還」を求められることがあります。
厚生局の個別指導は何だかこわいイメージがありますが、普通に診療を行っていれば何もこわいことはありません。
次回は、個別指導を受けることになった場合の留意点を記述したいと思います。